文鮮明師 講演文

「神様と人類が探していく平和の国と世界」

「神様と人類が探していく平和の国と世界」

文鮮明師 講演文
"In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the word was God." John1:1

「神様と人類が探していく平和の国と世界」

(01.10.29-11.08 天宙平和統一国韓国大会)


天宙平和統一国韓国大会日程

     2001年
     10月29日 大田・忠清南北        儒城リベラホテル
        30日 ソウル             新羅ホテル
        31日 光州・全羅南北・済州     新陽パークホテル
     11月1日 釜山・慶南           ロッテ釜山
        2日 京畿南部            ホテルロッテ
        4日 大邱・慶北           大邱インタブルゴホテル
        5日 仁川              ホテルロッテ
        6日 京畿北部・江原         ロッテワールド
        8日 国会議員など国家指導者対象  新羅ホテル

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 尊敬する各界指導者の皆様

 歴史的な大転換の時を迎えて今日、韓国の統一と世界の平和を気遣う指導者が一堂に会しました。

 さる9月11日、ニューヨークとワシントンDCで起こった惨劇は、全世界に驚くべき衝撃を与えました。平和と安全に対する懸念とともに、現代文明と人類の未来に対する深刻で根本的な問いを再び投げかけさせました。

 折りよく、さる10月19日から22日まで、ニューヨークで意義深い国際会議が開かれました。

 私が創設した世界平和超宗教超国家連合と世界NGO連合であるWANGOとの共同主催で、全世界101の国家から前・現職国家元首、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教など、主要宗教の最高指導者、学界、各国のNGO団体代表など、約400人が参加して、真摯でありながらも深刻に今日、世界が直面している危機とこれを平和的に解決するための方案の模索について討論しました。

 世界で唯一残された分断国である私たちの祖国、韓半島は、中東地域とともに地球上で最も注目される紛争地域の一つです。恒久的かつ根本的な平和世界実現に対する私の構想を開会演説で伝えましたが、今日この時間、私の所見の一端を分かちあいたいと思います。

 今日の講演題目は、“神様と人類が探していく平和の国と世界”です。

 人類は歴史を通して常に平和世界を希求してきました。しかし、その夢は一度も実現しませんでした。顧みれば、政治的、軍事的な対立が熾烈だった冷戦が終結すると、多くの人々が高度化された科学文明の基礎の上で、人類が念願した平和と安定の新時代が来るだろうと期待しました。

 しかし、葛藤と憎悪、利己的な欲望が私たちの中にそっくりそのまま生きているので、別の形態の、いっそう大きな災いを生み出したことを遅まきながら実感しています。無辜な人々に対する暴力が罪悪であることは自明であり、こんな行動は必ず終結されなければなりません。

 しかし、このような葛藤と闘争を根源から除去する解決策は何でしょうか?

 憎しみと葛藤と闘争の種はどこにまかれて根付いていますか?

 それは、人類始祖の最初の家庭の中にまかれていました。その根から代々、葛藤と闘争が続いているのです。

 そうだとすれば、葛藤と紛争を解消し、平和を実現する道はどこから探すべきでしょうか? 人類はこれまで、葛藤と紛争を克服し、平和に向かう道を政治力や外交的な努力で、または、経済的な力や軍事力を通して探してみようと試みてきました。

 しかし、このような方法は、根本的な解決策になりえませんでした。根本的であり唯一の方法は、失われた人類始祖の最初の家庭、すなわち神様の理想家庭を復帰することです。神様を中心に侍る家庭、真の愛を縦横にした完成した家庭のことです。

 神様は真の愛の本体であられ、人類には無形の真の父母であられます。愛は自分独りで実現できません。必ず相対を通して結実されます。人間は神様の真の愛の実体対象として創られた子女です。

 神様は人間に対して“生めよ”と言われた第1祝福を与えましたが、その第1祝福は人間がご自身の真の愛の完全な相対、すなわち、真の人間になれという祝福でした。相対は自分よりよくなることを願います。

 神様は真の愛の相対である人間に対して、投入して忘れ、また投入して忘れてしまう、無限に与えようとする真の父です。愛の出発は無限にために生きるところから出てくるためです。

 神様は人間に“殖えよ”という第2祝福を与えました。人類始祖は神様の子女として育って完成し、神様と一体心情圏のもとで真の夫婦になるようになっています。

 さらに彼らは、神様から相続した真の愛、真の生命、真の血統をその子女たちに伝授しながら実体の真の父母になるのです。

 このように神様の創造理想は、最初の家庭から縦横に真の愛を完成するようになっていたのです。神様の愛が絶対・唯一・不変・永遠なように、神様に侍る家庭は真の愛を中心として、絶対・唯一・不変・永遠の家庭になります。

 ここで人間は、神様と一心一体になった実体となり、完全な自由と幸福と平和の理想を完成するようになります。

 この時、人間は宇宙万象歓迎を受ける、真の愛の主管主となるのです。これが神様が人間に与えた第3祝福です。第3祝福は、人間が万物を主管しながら幸福な生活条件を得る祝福です。これは生態系と自然を真の主人の立場で保存しなければならない管理の責任も含まれたことです。

 ところが、人類始祖は神様の祝福のもとで真の愛の家庭をつくることができませんでした。真の愛を中心とした真の人間、真の夫婦、真の父母となれな

かったのです。神様に逆らって堕落した人類始祖が楽園から追い出された後、神様の祝福とは全く関係がない偽りの愛を中心として夫婦になって子女を持ち、今日の人類世界をつくってしまったのです。

 有史以来、人類は神様に侍る真の愛の土台で生まれることができず、心と体が葛藤する矛盾を抱えたまま生きてきました。この葛藤は始祖の最初の家庭の中で、兄弟間の憎悪と殺人という悲劇として現れたことを見せてくれています。神様を離れた家庭の悲惨な実情です。

 人間だけが中心となった家庭、人間関係だけを基礎とした家庭は、本然の理想家庭ではありません。神様と垂直的な真の愛の軸に連結された家庭が、理想家庭です。真の父母、真の愛のもと、縦的な軸を共有する兄弟の間に、初めて完全な和平の関係ができあがります。

 真の愛は理想家庭の中で体得され、また結実されます。家庭は唯一の愛の学校です。真の愛は権力や知識や力の基盤としては、けっして創出できません。

 尊敬する各界指導者の皆様!

 皆様が今日の社会相を眺めて、また若者たちに対するとき、何を感じますか?

 希望に満ちた明るい未来だけを感じますか? 日毎に増加する若者たちの犯罪率、暴力と麻薬乱用、不倫と退廃、十代の未婚の母問題と価値観の混沌など、未来社会を否定的に予測して苦悩するときが多かったはずです。

 なぜ若者たちがこのようになりましたか? もっといい学校教育や制度と環境の改善も、もちろん部分的な解決策になるでしょう。

 しかし、根本の根はそんなところにありません。真の愛の最初の家庭をなくしてしまった人類が歴史の結実期を迎えながら、家庭が安定性を失って崩壊するところにその原因があります。家庭の崩壊現象は、一つだけの愛の学校が破損されるのと同じで、その否定的な波及効果は、途方もないのです。

 社会的に様々な不安要因になることはもちろん、国家的、世界的に多くの問題点を併発させます。

 特に、青少年たちには情緒的な不安を与えて生の座標を替えさせ、脱線と放縦の生活の直接的な原因となったりもします。

 結婚忌避症や離婚率の増加など、家庭の基盤が急速には会されている現実は、明日を気遣う指導者たちが先頭に立って、必ず解決しなければならない課題だと言えます。

 神様の第1の祝福と第2の祝福を失ってしまった人類は、神聖な永遠の夫婦愛を交わし得る、真の愛の個体完成の重要性を知り得ませんでした。青少年たちは大部分、婚前純潔と真の愛の人格に対する徹底した教育を受けられません。喜びと幸福と理想の根本である真の愛の価値を分かりませんでした。夫婦間の信義と貞節が軽く考えられ、結婚の神聖性が無視される風潮の中で、人類社会はとんでもない悲劇と災いを内的に蓄積してきたのです。

 男女間の愛が刹那的であり、肉的であり、享楽的なものだけに傾倒する、いわゆるフリーセックスと世俗文化の中で、真の愛は立つ場所が無くなりました。急速に増加するエイズと性関係伝染疾患(STD)などは、人類の生存自体を脅かしています。エイズからの安全地帯はないなどと言っています。

 世界が今おびえているテロリズムよりも、もっと恐るべき脅威が安全地帯なく、われわれすべての間近に迫っているという話です。一度感染すれば幸福も理想も生命もすべて捨てなければならない、このとんでもない地球星の災いを解決できなくて、私たちがどうしてこの時代の指導者だと言えるでしょうか?

 また、“万の物を主管しなさい”と言われた神様の第3祝福の前でも、人間は真の愛の管理責任を果たせないでいます。万一、自然が人間の虐待に対して反抗し、人間を拒否するとすれば、どうなるでしょうか? そのような兆候がすでに現れているではありませんか? 生態系と自然環境が何も言わずに人間の傲慢を懲らしめる前に、人間は真の愛の人格を回復して、万物の前に現れなければならないのです。

 尊敬する各界指導者の皆さま!

 今日の問題をもっと根源的に暴き出すために、神様の創造理想を中心として真の“ナ(私)”と“ウリ(私たち)”の関係を考えてみようと思います。

 人間は堕落によって真の“私”の位置を探し出せなかったために、神様も“私たち”という言葉を使うことができませんでした。創造理想的な意識圏内に立つことができる、神様自身が“私のもの”、“私の子供”だと言うことができる、そんな関係を結び得なかったのです。

 したがって、私たちが持っている“私”という概念は、神様の本来の創造理想とは全く関係がないものなので、私たちは自分自身を完全否定しなければならないのです。

 神様はご自身が安心して“私たち”に含んで呼ぶことができる真の男と真の女、すなわち、ご自身の真の息子・娘を探して復帰摂理を行ってこられたのです。神様は愛の主体であり、生命の主体であり、血統の主体である以上、永遠に不可分な一体的基準に立っている、そんな真の息子・娘を探してこられたのです。

 私たちはまず、心と体の統一によって個人完成を成し遂げ、その土台の上に神様と父子としての縦的関係を樹立しなければなりません。しかし、縦的な関係だけをもっては“私たち”という言葉は成立しません。そこには必ず横的な関係がいっしょに調和しなければならないのです。

 したがって、男と女が真の祝福結婚を通して真の夫婦関係を結び、子女を生んで真の家庭を立てて、3代を中心にして四位基台をつくって初めて天は家庭単位で“私たち”と呼ぶことができるようになるのです。

 そうだとすれば、私たちはどうすればそんな位置にまで進むことができますか? 神様は心と体が完全に一つになった場所で万物を創造されました。絶対愛と絶対信仰を中心にした完全投入でした。 そこには自身の利益や事情を考え得る余裕はあり得ません。完全に、100%与えてまた与える、ために生きる愛の始原がまさしくここにあったのです。私たちの家庭でも同じです。

 神様の立場にいる父母は、真の愛を中心にして完全投入・絶対投入によって、正・分・合の論理で見れば正の立場で子女を生んで養育し、縦的な“私たち”の軸を立てなければならないのです。

 そして横的には夫婦が分の立場で、真の愛を中心に完全一体となって横的な軸を立てるようになれば、子女たちは合の立場で自動的に縦横の軸に合わせて一つになりながら、兄弟の間には前後関係のもう一つの軸が立てられるようになり、その時に初めて縦横と前後に完全な“私たち”の概念が実体的に展開されるのです。

 だから家庭が重要なのです。家庭こそ天が私たちに与えた最も尊い贈り物にほかならないのです。家庭という環境がなかったならば、どうして私たちがこのような絶対的基準の“私”を探して、縦横や前後に完全な“私たち”を考えてみることができるでしょうか? 家庭こそ愛と平和と幸福の揺籃なのです。

 そうだとすれば、真の“私”はどこで探すことができますか? ために生きる真の愛を実践する生活でこそ可能です。自分を完全にゼロとして否定し、家庭のため、国のため、世界人類のために、そして神様のために生きるようになれば、真の“私”は自動的に探しだされるのです。私たちは自分自身を推し立てて“私”をむやみに語ってはならないのです。

 長い歴史の裏通りで、真の“私”を語り得る息子を探してハン(恨)にまみれた復帰摂理を行ってこられた神様の心情を少しでも知ったならば、むやみに“私”を主張できないのです。私たちは寝ても覚めても理想家庭完成のために生きるべきなのです。

 神様の創造本然の世界である平和世界、神様が千年万年待ってきた理想家庭だけ立てれば、そのが他ならぬ地上天国の出発地になるのです。そこでかわいそうな神様の恨を解くことができるようになるのです。

 皆様、太陽を見ても恥ずかしくなく、海を見てもやましくなく、万物の前でも一点も隠すことがない真の“私”をさがして、神様が“私たち”と呼んでくれる家庭を立てましょう。

 そうして神様と人間の間に真の父母と子女の関係が成立しなければならないのです。さらに、人類の真の父母であり、愛と生命と血統の根源であられる神様は、人類の始祖であり、さらに主管者として真の王であられます。エデンの園で人類始祖の堕落によって神様はそのあらゆる位置を失ってしまったのです。

 復帰摂理の進展にしたがって、私は海洋還元、陸地還元、天宙還元とともに、第4アダム圏心情圏還元を宣布した土台の上で失われた神様の王権を取り戻してあげる歴史的な“神様王権即位式”を今年1月13日、韓国で挙行しました。

 本来、アダムが最初の家庭として人類の始祖であり、家庭の根本なのです。

 本来は家庭の王が後に国家の王の地位を受け継ぐべきであり、さらに天宙の王の地位を受け継ぐべきです。そうしてこそ、本然の理想的な天国圏が連結されるのです。

 今や蕩減の時代が終わり、入籍を通して本然の定着時代に入ることによって、国の王が連結され、さらに世界の王が連結されるのです。

 それで世界平和統一家庭連合では昨年、子女の日に天地父母が家庭の王として君臨するようになったことを宣布し、入籍した家庭から初めて天の父母を王として侍っていくことができる時代に入っていくことを宣布したのです。

 したがって、あらゆる祝福家庭は天地の王に侍り、標準的な伝統を立てるべき家庭であることを自認すべきです。だから教会時代は終わり、家庭連合の時代が開かれるのです。

 宇宙全体が一つの核を中心として連体として連結することと同じく、皆様の家庭がそんな核の立場に立って万物を愛し、神様が愛によって創り、存在するそれらを食べて愛する主人の立場を探さなければなりません。

 それで、自分の家庭が神様の前で愛を中心として一体圏となり、天地父母王に侍る標準的、定着的、定礎石のような家庭だということを感じなければなりません。そうして勝利圏を相続してもらう祝福家庭にならなければならないのです。

 尊敬する指導者の皆様!

 人類は今や独善と無知、そして利己心と憎悪を自責して、神様の前に謙虚に頭を垂れて天道にしたがわなければならない時点に至りました。

 私はいち早く神様の召命を受けて、神様と人類がともに願う平和世界の実現のために生涯を捧げてきました。私は今日、平和に向かうための重要ないくつか(の内容)を話そうと思います。

 第1に、私たちは他人のために生きる生活をしなければなりません。利己的な生活は他人を不快にすることはもちろん、天道に逆らうことです。他人のための生活は、即ち神様に似る実践なのです。神様の真の愛を相続して家庭と社会、国家と世界を愛することは、宇宙の基本秩序に順応することです。

 真の愛の実践を通してこそ、人格を完成した真の人間、真の父母、真の師匠(先生)、真の主人になります。そうしてこそ平和を実現する主体になります。他人のための生活は平和に向かう最初の関門になります。これと関連して、平和に至る道は神様主義-頭翼思想によらなければならないという結論をお話しようと思います。

 神様主義-頭翼思想とは、カイン・アベルの葛藤を始原としてこの世の中にあるあらゆる葛藤要因と思想とその結実を全部和合して包容しうる思想であり、主義です。

 葛藤と憎悪の輪を何によって切断しますか? 憎悪に対するいっそうの憎悪という反応はむしろ、もっと恐るべき憎悪と破壊を呼び寄せるだけです。これは平和に向かう道になり得ません。対立し不和な双方の葛藤要因はただただ真の愛によってのみ感化、教育され、包容することができます。

 神様を中心に立てた真の愛は国境に閉ざされることなく、超国家的です。また、真の愛は宗教の高い垣も飛び越え、人種差別もない、超宗教的、超人種的です。

 神様の理想を中心とした、相対のための真の愛の感化力、生命力によってのみ、左右双方、前後双方、上下双方、内外双方の諸々の地球星のあらゆる葛藤・対立要因は克服され、永遠な平和理想世界が実現するのです。

 第2に、平和な世界と国家を実現する基礎単位である真の家庭をなすことです。上で言及したように、対立葛藤の根が最初の家庭にあり、したがって理想的な真の父母の家庭が生まれない限り、平和世界はその根源があり得ないのです。

 これと連係して、私が世界的に展開してきた国際祝福結婚は単純な一つの宗教団体の結婚儀式ではありません。神様の愛の伝統を立てる救国救世の運動です。青少年たちには婚前純潔運動を実施します。

 そして成人になってからは、神様の真の愛を中心として夫婦間の絶対信義と貞節の誓約下に、祝福結婚を行うようにする運動です。真の愛を中心として真の家庭と真の父母をなす神聖な運動です。

 こんな理想の下に教育を受けて結婚した家庭は、エイズを脅威として感じる理由がありません。彼らにはエイズ予防が風邪の予防よりも容易いのです。世界のあらゆる若者たちが、このビジョンによって教育を受けて実践すれば、エイズは完璧に予防されるのです。

 真の愛の家庭は家庭の崩壊を防ぎ、国家と世界に平和の礎石を置きます。特に政治的、歴史的に仲たがいし怨讐関係にあった国家間の人々が、その高い垣を越えて姻戚関係、真の愛の関係を結ぶようになるので、和解の幅は国家を越えて人種を飛び越えることになります。

 真の平和に向かう高次元の公式は、不和と怨讐関係の家門、さらに進んで怨讐国家の子供同士を交叉結婚祝福して、天地が願う真の愛の真の家庭完成の祝福圏を成就させることです。

 ここから神様と人間が願う永遠の平和世界が出発する始原となるのです。

 第3に、超宗教的な和解と協力は平和世界に向かう必須条件です。私は過去50年以上の間、超宗教的な和合と対話のための運動のチャンピオンとして働いてきました。いつも自分の教団発展のためのものより、はるかに多くの予算を支援しながらずっとこの運動を続けてきました。このような不変の愛の実践が容易いことでしょうか? 決して容易いことではありませんでした。

 宗教間の和解・協力がない限り、世界平和は期待できません。神様の理想である平和世界への案内者は、宗教指導者と信仰者がなるべきです。宗教が万一、偏狭な教派主義だけ強調し、宇宙的な真の愛を教えることに失敗すれば、人類は葛藤と戦争の恐怖から自由たり得ません。地球星の危機の前に、宗教指導者は謙虚に神様のみ旨にしたがって、超宗教的に手に手を取って真の愛を実践しなければなりません。

 宗教の感化力によって和平な人格が創出され、自己主管力が培養されて、歴史的な憎悪と憤怒を消化することから、真の平和と安定が訪れるようになります。

 万一、各宗教が教理や儀式の差異を二の次にして神の高い理想の下で、互いに愛し、協力し、奉仕することをこの世の前に見せてあげれば、世界は劇的に変わり得ます。

 第4に、平和世界を実現するための国連の正しい役割を改めて強調しようと思います。国連は代表的な世界平和機構として、これまで多く貢献してきました。しかし、創設時とは著しく変わった世界の実情と多元化された地球星の問題解決のために昨年、私の考えを国連に提案しました。

 国連内に上院のような特別機構を補強して、宗教的、霊的、道徳的な次元で世界の問題を審議するようにすることが、その一つでした。国連が国家利益に基礎を置いた政治と外交の力によって掌握される次元を越えて、地球星レベルの理念と高い神の理想の下に管掌される機構になってこそ、万人の権益を保護し、平和世界を創建してゆくことができるのです。

 国連だけでなく、今後、世界秩序は政治主権が道徳的・霊的価値と分かれて作用しては公益と平和が保障され難いのです。神の理想に基づいて、宇宙の公法と通じる霊的・道徳的に高次元の指導力が要請されるのです。政治力やその如何なる力も、神と天理の上に立つことはできません。

 また、国連は非政府民間団体であるNGOの意見を多く聞かなければなりません。私が世界NGO連合であるWANGOを創設した理由もここにあります。全てのNGOはよりいっそう対話し協力しながら本来の創設精神を失わないようにすべきです。利己的で偏狭にならないよう努力しながら、世界のために正しい奉仕を続けてくださるようお願いいたします。

 尊敬する指導者の皆様!

 自分が実践しないで平和を語るのは、真の指導者の道理ではありません。また、私たちが何もしないで平和を待つほど余裕がある世界の状況でもありません。

 平和大使はもちろん、私たちすべてが平和運動の主体となって、必ず平和世界を創建しなければなりません。

 国連をはじめとしたあらゆる国際機構は、平和大使館を中心として歴史的な宿願である世界平和理想国家運動に積極的に協力し、支援してくださるようお願いいたします。

 各界各層の指導者である皆様が一心一体となって、みんな一緒に他人のために生きる生活によって真の愛の理想家庭を創建して実践し、天運の助けを受ける平和の先駆者となりましょう。

 統一された祖国と平和の理想世界を建設する働き手になりましょう。神様の祝福が皆様の家庭に共にありますように。

 ありがとうございます。

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